「安倍政権のTPP推進は米国民にも弓を引くことだ」

『月刊日本』辻説法(2016.11.15)の様子をご紹介します。
今回は、中央大学客員教授・稲村公望氏の訴え「安倍政権のTPP推進は米国民にも弓を引くことだ」です。

「日本のマスコミもアメリカのマスコミもそうだったんですが、ヒラリー候補が断然勝利するんだと、こういう話でした。『ロサンゼルス・タイムス』というカリフォルニア州の新聞がありますが、これだけがトランプ候補が勝つという予想をしておりました。

後付けの話ですが、なぜ『ロサンゼルス・タイムス』だけがトランプ候補が勝つという情報を流したのだろうと思って調べましたら、それは3000人の母集団、南カリフォルニア大学という大学がありまして、それがアメリカの人種構成だとか、色々日本と違いましてが色んな人種文化がございますから、それらを正確に反映した上で、3000人を長い時間にわたって、一回だけ電話で聞くとか、一回だけインタビューして聞くとか、そういうことではなくて、長い時間にわたって3000人の意見を調査していたら、トランプ候補が勝つという予想ができたと、こういう話でした。

しかし日本の大マスコミの中には、一つもトランプ候補が勝つということを予測したことはなかったんです。その挙句、選挙当日にトランプ候補が勝ったということで、日本の株式市場は値段が下落したんですよ。下落したということは、日本の株をやっている人たち、あるいは大証券会社とかですね、そうした関係者も予想を間違えたということなんですね。だからあの日株がドンと下がりましたから、むしろ株を買ってそのまま大儲けしたわけですが、それから数日間で、ご覧の通りご存知の通り、世界の株式市場は、特にアメリカ市場は元に戻ったどころか、日本では今日も相当株が上ったと、こういうことでございます。

皆さん、再三にわたって申し上げておりますが、株が上るというのは悪いことではありません。それだけ会社、あるいは個人投資家の収益が上がるというのは悪いことではありませんが、日本の問題は、その株の市場が半分くらい、半分近く外国人が入っている。外国人が株が上れば儲かるということと、会社がいくら儲かっても、そのお金を国民にバラまきしない、分配しないということが、中々景気が上らない原因だということは分かっておりました。ましてや消費税なんかを上げると、景気がドーンと落ちて、日本経済が窒息死しそうになるというのは、もう充分に証明されましたから、安倍政権も消費税を上げる上げると言いながら、土壇場で上げないという政策になっています。

全世界の、特にアメリカの経済新聞はウォール・ストリート・ジャーナルに始まって、オバマ政権はTPPをもうやめるんだ、やめたんだと報道したんですよ。皆さん、TPPはアメリカはもう採択するのはやめました。TPPをオバマ大統領が日本の横浜で行われたアジア太平洋会議に持ってきて、当時の民主党政権の菅内閣が第三の開国などと馬鹿げたことを言って、TPPを受け入れたのをついこの間のように思います。

安倍政権はTPP反対だと、絶対反対だと言っていたのが、いつの間にかTPP賛成に鞍替えして公約を破って何事もなかったかのようにTPPに前倒しでのめり込んでいるというのは、不思議だと思いませんか。これはアメリカ国民に対しても弓を引くことになりはしないかと私は憂えております。参議院は直ちにTPP承認をやめて、新たな日米関係、安定した日米関係、対等な日米関係を作るためにどうすればいいかということを、日本の国論は考えるべきではないかと思います。

皆さん、アメリカでは政治が音を立てて変わろうとしています。日本でも、自立自尊の日本を作る、ネオコンだとか、単なるグローバリゼーションに従わない。日本の良さは日本の良さ、世界の良さは世界の良さということで、世界の各国と手をとって、平和を求めて、繁栄を遂げて生きる日本を作るために微力を果たしたいものだと思います。」