「企業担当制」で副大臣が外資の御用聞きになる 月刊日本辻説法

『月刊日本』辻説法@新橋(2016.08.30)の様子をご紹介します。
今回は坪内隆彦編集長の訴え「『企業担当制』で副大臣が外資の御用聞きになる!」です。

「TPP、そして安倍政権が進める新自由主義的な規制改革の問題について、お話をさせていただきます。九月中旬から臨時国会が召集されますが、そこでTPPの批准を急ぐということで、安倍政権は動いているわけであります。アメリカも大統領候補者がそろってTPPに反対している、アメリカでは批准の目途がたっていない、にもかかわらず、安倍政権は批准を急いでいるわけであります。

 これは大変大きな問題で、なんとかして批准を阻止しなければならないことは言うまでもありませんが、すでに安倍政権はTPPが発効しようがしまいが、グローバル企業が喜ぶ、グローバル企業のビジネスチャンスを拡大するような規制改革に邁進しているわけであります。

 いま内閣府のホームページを開きますと、「INVEST JAPAN」という派手なページが出てまいりますが、昨年安倍政権は「対日直接投資推進会議」なるものを立ち上げ、そこでとんでもない仕組みをつくったわけであります。

「企業担当制」という名前で、日本に対して多額の投資をしている外資系企業に対して担当者をつけると。その担当者は外資系を所轄する、医療であれば厚生労働副大臣が外資系医療会社の担当につくという構図を進めているわけであります。

 もちろん直接投資、これ自体は否定すべきものではないと考えております。しかし安倍政権が進めているのは、外資系企業が日本でビジネスをするにあたって邪魔な規制を取っ払うと。外資の言うがままにこうした規制を取っ払うために、外資の要望をそのまま聞く。そのために企業担当制なるものを設けたわけであります。

 本来、厚生労働省には医療、あるいは労働、雇用といった国民生活を守る上で重要な役割を果たす義務があるわけですが、この企業担当制というものは、(副大臣が)外資系企業の相談役になる、相談に乗るということであります。

 つまり外資系企業が「こういう規制撤廃をしてほしい。日本で解雇しやすいような労働法制にしてほしい」と、そういう外資の要望を副大臣が御用聞きのように承る。そしてその要望に則って規制改革を推進しようと。すでにワーキンググループが動き出して、早いものでは年内に規制改革を断行するという方針を示しているわけであります。

 まさに安倍政権はTPPが批准するか否か、発効するか否かにかかわらず、自ら外資系企業に奉仕するような政策を進めているわけであります。ところが、この企業担当制についても九州大学の施(光恒)先生が昨年指摘したくらいで、ほとんど大手のメディアはこの重大な問題について報道しておりません。

 われわれはこうしたマスコミが報道しない重大な問題を、権力に阿ることなく、今後とも報道させていただこうと思っております。」