亀井静香 日本はアメリカの占領下だ

戦前に近づく日本社会

 日本では貧困や経済格差、教育格差が拡大し、あたかも戦前のような姿になってしまっています。当時の日本では、貧困や格差に対する憤りから、テロやクーデターが起こりました。再び同じことが起こったとしてもおかしくありません。テロやクーデターというと絵空事のように聞こえるかもしれませんが、実際に戦後の日本でもクーデター計画はありました。

 ここでは、弊誌12月号に掲載した、前衆議院議員の亀井静香氏のインタビューを紹介します。全文は12月号をご覧ください。

自衛隊のクーデター計画があった!

── 安倍政権は、臨時国会を開催すべきだという野党の声を無視したままずっと開かず、今度は開いたと思ったら冒頭で解散しました。国会が形骸化しています。

亀井 総理は、丁寧に、謙虚にやりますと盛んに言っていた。しかし、こんなことをやっていれば、「お前は嘘つきだ」と言われちゃうよ。丁寧、謙虚というのは、言葉や物腰だけではだめだ。政治そのものについて、もっと丁寧に謙虚にやらなきゃいけない。

── 経済財政諮問会議、規制改革推進会議などで、恣意的に選ばれた民間議員たちが国の重要政策についての方針を決めています。国会はそれを追認するだけの機関になっています。あらゆる分野で規制改革が強行され、一部の人たちだけが利益を享受しています。

亀井 こうした政治状況が続き、それが変わる兆しもないという閉塞感が強まっている。その結果、これからテロが起こる危険性がありますよ。昭和の初期には、血盟団事件、五・一五事件、二・二六事件などが起こった。

 実は、戦後もクーデター計画はあったんだよ。いまだから言ってもいいと思うが、私が警察庁にいたとき、現職の自衛官によるクーデター計画があったんだよ。それを事前にキャッチした。表沙汰にはできないから、とにかく首謀者たちの動きを止めようとした。防衛庁に連絡し、理由を言わずに、首謀者3名を即座に配置転換するよう要請した。計画が察知されたとわかれば、動けなくなる。

 これからも、クーデターやテロを起こそうとする者は出てくるよ。いまほとんどの若者は政治的に無関心になっているけど、「政治的な発狂者」が出てくる可能性はあるよ。

── かつて亀井さんは社会党委員長の村山富市さんを担ぎ出して自社さ連立政権を作りました。それくらいの知恵と度胸がなければ、政権はひっくり返せないのではないですか。

亀井 野党に気迫が足りない。今回の首班指名の際にも、私は野党の連中に「自民の議員を担ぎ出して、党として投票しちゃえ」と提案していた。晋三総理に勝てなくても、自民党内に疑心暗鬼や亀裂をもたらすことができる。首班指名で野党の政治家に入れても意味はないんだから、これくらいのことをやってみろと言ったんだ。……