2016年5月12日 発売/定価750円(税込)
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作品紹介
本誌は貧困、格差、TPPについて論じたものである。今このタイミングでこれらの問題を取り上げるべき理由は、主に二つある。
一つは、貧困問題が深刻化していることである。日本の非正規雇用の割合は4割を越え、年収200万円以下の人々が1千万人以上に及んでいる。今や結婚や出産が贅沢とされるほど、貧困は重大な問題となっている。
もう一つは、TPPの先行きが不透明になっていることである。最大の原因は、アメリカ大統領選挙の予備選で共和党のトランプ候補が多くの支持を集めていることである。トランプはTPPの内容を強く批判し、TPPを破棄することまで示唆している。
現時点ではトランプが大統領に選ばれるかどうかは明らかでない。しかし、たとえトランプが大統領にならなくとも、トランプがあれほど支持を集めた以上、次の大統領も「トランプ的な政策」を取らざるを得ないだろう。
本誌では、貧困、格差、TPPの問題を個別に論じることに加え、「そもそも資本主義とは何か」という問題にも踏み込んだ。資本主義の本質をつかむことができれば、個々の問題もより深く理解できるはずである。
目次
なぜいま「貧困・格差・TPP」なのか
●「資本主義」の問題は何なのか
佐藤 優 今こそ『資本論』を読もう!
水野和夫 成長戦略と決別してゼロ成長を目指すべきです
佐伯啓思 日本の経済学者は米国経済学を鵜呑みにしています
藻谷浩介 里山資本主義を実践してTPPに対抗しよう
山崎行太郎 我々は資本主義を乗り越えられるか
◆マハティール×稲村公望 日本は真の独立国ではありませんね
●各界の論客が検証した「TPP問題」
白井 聡 TPPは永続敗戦レジームを強化するものです
玉城雄一郎 黒塗り文書でTPP審議などできません
内田聖子 TPPを主導しているのは米国の多国籍企業なんです
植草一秀 戦争と弱肉強食から平和と共生へ
亀井静香 安倍総理! 民の悲鳴が聴こえぬか
田村秀男 移民受け入れは格差をさらに拡大させる
郭 洋春 国家戦略特区ができると地方はゴーストタウンになります
施 光恒 「英語化」は国民の連帯意識を破壊します
山岡淳一郎 医療費の高騰は子供の貧困を加速させます
篠原 孝 国民皆保険制度がアメリカに食いつぶされます
岩月浩二 ISDS条項により国家主権が奪われます
●「農業」と「食の安全」が危ない
山田正彦 このままでは日本農業は滅びますよ
鈴木宣弘 日本の農業は決して過保護ではありません
菊池英博 農協マネー380兆円が狙われている
三橋貴明 農協改革は日本を亡国に導きます
安田節子 日本の食と農業がモンサントに支配されます
【緊急特別対談】
佐高信×山田俊男 農家を守るために農業補助金の充実を
《コラム》
◎アーミテージ・ナイレポート
◎TPPと米韓FTA
◎TPPと保守派
◎子どもの貧困
◎子宮頸がんワクチン
◎新サービス貿易協定の危険性
◎TPPと郵政民営化