平野貞夫 安倍政権の本質は「虚義」だ

野党共闘を実現せよ

 今年の7月には衆参同日選挙が行われるのではないかと言われています。野党側がこの選挙に勝利するためには、野党共闘以外に方法はありません。ところが、現在のところ野党の足並みは揃っていないように見えます。野党にはそれぞれ言い分があるのでしょうが、恩讐を超え、共闘を実現してもらいたいと思います。

 ここでは弊誌2月号に掲載した、政治評論家の平野貞夫氏のインタビューを紹介したいと思います。全文は2月号をご覧ください。


立憲民主党はクーデターを起こせ!

―― しかし、安倍政権に立ち向かうべき野党はバラバラです。

平野 いちばんの癌は枝野幸男ですよ。枝野は野党の現状について「いいバラバラだと思います。理念政策が違うのに、無理やり一つに取り繕う方が間違っている。われわれが、ぶれることなく、できるだけわかりやすい短いフレーズで、われわれの思いを伝えることができれば、十分互角に戦えると思っています」などと寝言を言っていますが、野党がバラバラで誰が一番喜ぶのか。安倍じゃないですか。

 安倍が冒頭解散に踏み切ったら、大義があろうがなかろうが、野党は協力しない限り勝てる状況じゃない。野党はバラバラで、しかも完全に油断しているから、これ以上ない不意打ちになるでしょう。

 国民民主党は民進党との継続性があるから、ある程度の候補者を揃えることはできると思いますが、立憲民主党はほとんど候補者が揃っていないどころか、まだ候補者の検討すらしていませんからね。解散が早ければ早いほど与党有利、野党不利になる。

 それなのに「立憲ファースト」を主張して譲らない枝野に、他党の党首が呆れ返っているのが現状でしょう。野党第一党の党首が野党協力を阻む最大の障害になってどうするんですか。

 今の日本にとって最大の課題は、安倍政権の暴政を食い止めることでしょう。そのための手段は野党協力しかないんですよ。野党協力に乗り出さない枝野は、安倍政権の暴政を続けることを認めたのも同然なのです。

 枝野は「理念政策が違うのに、無理やり一つに取り繕う方が間違っている」などと言っていますが、いかにも弁護士の言いそうな詭弁です。現代は政治に多元な価値観の融合が要求される時代なんだから、無理やり理念政策を一本化する方が間違っている。

 いいですか、理念政策を一つにするというのは政治の手段なんです。しかし、暴政を倒すというのは政治の目的なんですよ。政治の方法にこだわって政治の目的が実現できなかったら、この国はどうなるんですか。

 安倍の暴政を止めるためには、可及的速やかに野党協力を成功させなければならないんです。それができれば選挙に勝てる、できなければ暴政は続いていく。その結果、この国はファシズム化することになりかねない。その責任は安倍だけじゃない、当然枝野にもありますよ。自分の我儘でそれを止めることができなかったんだから。

 野党協力は絶対に成功させなければならない。そのためには、野党の党首たちが足並みを揃えて、立憲民主を盟主とする野党連合構想を持ちかけるべきです。枝野を羽交い絞めにしてでも、その構想は呑んでもらわないといけない。それでも枝野が頑として応じないならば、立憲民主がクーデターを起こして党首をすげ替えるしかありません。

 厳しいことを言いましたが、枝野氏をはじめとする野党党首には、自分の決断に日本の運命が懸かっているという責任感を持って、安倍の暴政に立ち向かってほしいと思います。

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