安倍政権では北朝鮮問題に対応できない
北朝鮮情勢が緊迫しています。そのため、急落した安倍政権の支持率も、一時的に下げ止まっているように見えます。しかし、臨時国会が始まれば、加計・森友問題、自衛隊の日報問題などを追及され、再び政局は流動化するでしょう。「北朝鮮情勢が厳しい中で安倍政権の足を引っ張るのはおかしい」という批判もありますが、現在の安倍政権に北朝鮮問題に対応する力があるとは思えません。
ここでは、弊誌9月号に掲載した、元参議院自民党議員会長の村上正邦氏のインタビューを紹介したいと思います。全文は9月号をご覧ください。
「安倍君 もういい加減になさい!」
── 村上さん、現状を打破する秘策はありませんか。
村上 冤罪だったとはいえ、KSD事件で国会議員を辞めた人間が申し上げるべきことではありませんが、私は安倍総理は国会をほぼ半年間混迷に陥らせた責任をとって潔く職を辞することをお勧めしたい。
国会議員を引退されても尚、国家の将来を憂いておられる方々も大勢おられます。私も時にそうした方々と国政を論じることがありますが、みなさん挙って安倍総理は潔く職を辞する決意をすべきだと考えてますよ。
元総理の福田康夫さんも共同通信のインタビューに応え「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸を見て仕事をしている。国家の破滅に近づいている」と厳しい批判をしておられました。福田さんは「国家の破滅に近づいている」と最大級の警告を発しているのです。これは、安倍総理への辞任勧告です。私は全く同感です。自民党OBだけでなく、現役の自民党議員諸君も同じことを考えているはずです。
このままでは自民党政権が国民の信頼を失って、潰れるだけではありません。戦前戦後、営々と築き上げてきた議会制民主政治そのものが崩壊してしまう、という危機感を私は持っています。
現役の諸君に言いたい。「自由な言論の府である国会に議席を占める議員であるなら、総理の顔色を見ることなく、国家国民のため、自由闊達な議論を巻き起こせ!」と。それが国民の信託を受けた国会議員の職責なのだと、私は思います。
自民党執行部はこの事態を深刻に受け止めて、早い時期に最高顧問会議を招集し、安倍総理に辞職勧告を突きつけることをやってもいいのではないか。
いまや政治を支える国民の信頼という、政治の屋台骨そのものが崩れようとしている。私はそこまで深刻な事態だと受け止めているんですよ。……