右左の違いを越えて
安倍政権はTPPや規制緩和、働き方改革、移民拡大などを強引に進めてきました。これはとても保守的な態度とは言えません。これに対して、共産党は一貫して新自由主義政策に反対してきました。安倍政権が急速にグローバリズムに舵を切ったために、共産党が相対的に保守的に見える状況が生まれたと言えます。
現在の安倍政治を食い止めるには、右や左といった違いにこだわっている余裕はないと思います。ここでは弊誌12月号に掲載した、元衆議院議員の亀井静香氏と日本共産党委員長の志位和夫氏のインタビューを紹介します。全文は12月号をご覧ください。
来年は間違いなく衆参同時選挙だ
亀井 私はいまどの党とも関係がないからある程度客観的に物事を見られる立場だと思うけど、自民党がいまのようなやり方を続けているようでは、政権を維持することはできない。来年は間違いなく衆参同時選挙になるから、そうなれば自民党は過半数を割るよ。
志位 参院選では32の一人区で共闘体制を作り自民党を打ち破りたい。そうすれば複数区や比例区にもうねりが連動します。仮に衆参同時選挙を打ってきたら、衆参両方で一気に自民・公明と補完勢力を少数派に追い落とせるように対応したい。
亀井 それができるかどうかは共産党次第よ。あなたがいまやっているように、共産党だけでなくトータルとして野党が勝つことを考え、野党共闘がどんどんできれば、自民党は負けるよ。
志位 勝つために必要なことは何でもやるつもりです。ただ、過去二回の選挙──2016年の参議院選挙と去年の衆議院選挙は、共産党が一方的に候補者を降ろしたんです。16年の参議院選挙は野党共闘の最初の試みを成功させるため、去年の衆議院選挙は共闘を壊す逆流への緊急対応のためでした。しかし、次は一方的に降ろすことはしないと決めています。一方的に降ろすことを続けていてはダメです。
亀井 それはダメだ。とにかく候補者を立てて条件闘争をしないと。共産党も満足できる候補者を作らないとダメだ。
志位 共産党がベタ降りというのは良くない。
亀井 それではあなたがもたないわ。
志位 私がもたないというより、一方的に降ろすというやり方では本当に力のこもった共闘にならないんですよ。
亀井 共産党の候補者もいないと、共産党員も選挙運動に一生懸命取り組めないね。
志位 人間の集団ですから。そこは共闘相手の党にも考えてもらいたい。……