『月刊日本』2021年1月号の紹介

2021年、日本はどこへ向かうのか

 本誌1月号は本日22日より書店販売を開始いたします。

 今月号では2020年を振り返り、2021年の展望を議論しました。

 2020年は何と言っても新型コロナウイルスが蔓延した年でした。1月にダイヤモンド・プリンセス号の乗客から感染者が確認されたかと思えば、瞬く間に感染が広がり、全国で感染者が確認されるようになりました。

 これに対して、安倍政権はアベノマスクを配ったり、緊急事態宣言を発令したりしましたが、感染拡大を食い止めることはできませんでした。安倍政権はコロナ対策に失敗し、ついには政権崩壊に至りました。7年8か月に及ぶ長期政権があっけなく幕を閉じた瞬間でした。

 時を同じくして、アメリカの大統領選挙ではトランプ大統領が民主党のバイデン前副大統領に敗れました。ここでも問題になったのはコロナ対策でした。新型コロナが世界の政治状況を大きく変化させる結果となりました。

 また、2020年はマイノリティへの抑圧が強まった年でもありました。全米オープンで優勝した大坂なおみ選手が、人種差別への抗議を示すマスクを着けてコートにあがったところ、日本国内でも大坂選手を批判する声が聞かれました。生活保護受給者やホームレスなども誹謗中傷の対象になっています。社会が閉塞し、排外主義が強まった1年でした。

 それでは、2021年はどういう年になるでしょうか。

 コロナ禍は来年も止むことはないと思います。スペイン風邪の例からすれば、少なくともあと1、2年はコロナ禍が続くと考えざるを得ません。

 新たに誕生したバイデン政権との関係も問題になるでしょう。日本では菅総理がバイデンと会談した際、バイデンが尖閣への安保適用を明言したと報じられましたが、これはまったくの嘘です。バイデン側の発表文にはそのような言葉はどこにもありません。

 マイノリティへの抑圧も引き続き問題になるでしょう。日本は過去にマイノリティを虐殺した経験があるため、この点はいくら注意してもしすぎることはありません。

 こうした問題意識から、京都精華大学専任講師の白井聡氏、元自民党幹事長の石破茂氏、自民党の古川禎久氏、元衆議院議員の福島伸享氏、ライターの朴順梨氏に話をうかがいました。

安倍晋三氏に議員辞職を勧告する

 また、今月号では安倍晋三前総理の最近の振る舞いを徹底批判しました。安倍氏は病気を理由に総理をやめたにもかかわらず、政治活動を再開させ、精力的に動き回っています。再び総理の座を狙っているかのようです。過去の総理経験者の中に、これほど露骨な人がいたでしょうか。いったいあの病気は何だったのかと言わざるを得ません。

 安倍政権の7年8か月で国民は経済的に厳しい状況に追い込まれ、日本の対米従属も加速しました。憲法改正や拉致問題解決をはじめ、安倍氏が自分の手で成し遂げると明言していたことは何一つ成し遂げられませんでした。

 それに加え、安倍氏の後援会が開いた「桜を見る会」前夜祭の費用を安倍氏側が補填するという、政治資金規正法違反の疑いのある事実も明らかになりました。

 安倍氏はこれまで国会でこの問題を追及されても、補填の事実を認めてきませんでした。総理大臣が国会で堂々と嘘をついていたということです。これは立法府に対する冒とくです。決して看過できる問題ではありません。

 このような政治家に再び総理になる資格などありません。いや、総理大臣どころか政治家である資格もありません。安倍氏は直ちに議員辞職し、政治の世界から永遠に身を引くべきです。

 この問題に関して、元東京地検特捜部の郷原信郎氏、作家の適菜収氏、元参議院議員の平野貞夫氏、立憲民主党の川内博史氏に話をうかがいました。

 あわせて、今月号では2021年4月から施行される改正種苗法の問題点を東京大学教授の鈴木宣弘氏にうかがっています。

 その他にも読み応えのある記事が満載です。ご一読いただければ幸いです。