田原総一朗 安倍総理には呆れ果てた

内閣改造でも支持率は回復しない

 産経新聞とFNNが7月22日と23日に行った合同世論調査でも、安倍内閣の支持率は34・7%、不支持率は56・1%となり、第2次安倍内閣発足後、支持は最低、不支持は最高を記録しました(7月24日付 産経新聞)。この結果は要するに、これまで安倍政権を支持してきた人たちの中からも批判者が出てきたということでしょう。

 支持率下落の原因は安倍首相自身にあります。それゆえ、いくら内閣改造を行ったとしても、それにより支持率が回復することはないと思います。

 ここでは、弊誌8月号に掲載した、ジャーナリストの田原総一朗氏のインタビューを紹介したいと思います。全文は8月号をご覧ください。

自民党から「辞めろ」という声が出なければおかしい

―― 7月2日、自民党が都議選で惨敗しました。この結果をどう見ていますか。

田原 これは自民党の責任ではなく、安倍首相の責任です。つまり、都民が安倍首相にあきれ果てたということ。

 自民党が大敗した原因は、安倍政権が「一強」に驕ったからです。現在の一強には二つの意味がある。第一に野党が弱すぎる。第二に党内にライバルがいない。選挙制度が変わったこともあり、自民党議員が全員イエスマンになっちゃった。僕がこう言ったら、ある自民党幹部なんかは「自民党議員はイエスマンですらない。自分でものを考えなくなったんだ」と言いました。

 安倍政権は外にも内にも敵がいない「二重の一強」です。これで安倍政権と自民党に緊張感がなくなり、増長して傲慢になった。だから二回生議員が次から次へとスキャンダルを起こし、大臣が次から次へと失言を繰り返している。安倍首相も無神経になり、国民の声が聞こえなくなっている。これは自民党の劣化、保守の劣化だと思う。

 こういう場合、これまでならば必ず自民党内から「首相は辞めろ」という声が出てきました。自民党の歴代首相は、みな自民党内での政争や辞任要求に負けて辞任している。野党に負けて辞めた人は誰もいない。

 自民党が戦後長らく政権与党でいられたのは、国民の声を聞いて首相を交代するような柔軟性があったからです。だから今後も自民党が健全な党であろうとするならば、自民党議員は「安倍首相は辞めるべきだ」と当然言うべきだと思う。

 それができない自民党ならば、崩壊に向かうしかありません。国民は「昔の自民党はこうじゃなかった」とがっかりし、不信感はより深まると思います。

―― 今回の大敗について、自民党はあくまで都議会の問題であり、都連以上の責任は問わない方針です。その上で安倍首相は内閣改造を行い、信頼回復を図る意向です。

田原 それは安倍政権の論理で、まったく説得力がない。そんなことを言えば言うほど、国民の不信感は強まるだけです。

 僕は今回の支持率低下は、これまでと違うと思う。特定秘密保護法と安保関連法のときは、強行採決のあと一時的に支持率が落ちたけど戻った。今回は戻らない。なぜか。今回の支持率低下は、政策に対する批判じゃなくて安倍政権の体質に対する批判だからです。

 だから内閣改造をしても、安倍首相が居座っているかぎり不信感は薄らがない。「内閣改造」というならば、安倍首相を含めて全員が変わるべきです。そうでなければ信頼回復は極めてむずかしい。どうするんだろう。

 僕はこのままいくと支持率は落ちると思う。そうなれば安倍さんもダメになる。自民党もダメになる。……