二階俊博 日本は平和外交を貫け

安倍首相は再び米国から梯子を外されるか

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が非核化の意思を表明し、アメリカのトランプ大統領との早期会談を要請しました。トランプ大統領も要請を受け入れ、「5月までに会談する」と応じたといいます(3月9日 産経新聞)。こうした中、安倍首相は早速トランプ大統領と電話会談を行っています。安倍首相は再びアメリカから梯子を外されることを恐れているのでしょう。この対応の仕方一つ見ても、日本が北朝鮮問題の主要プレイヤーでないことがわかります。アメリカに追従ばかりしていては、北朝鮮や韓国だけでなく、どの国からも相手にされなくなるでしょう。

 ここでは、弊誌3月号に掲載した、自民党幹事長の二階俊博氏のインタビューを紹介します。二階氏は日本はアメリカのように強硬路線に出るのではなく、北朝鮮と対話すべきだと主張してきました。

日本は北朝鮮と対話せよ

―― 次に北朝鮮問題についてうかがいたいと思います。日本政府は北朝鮮に対して「対話のための対話では意味がない」として強硬姿勢を示しています。国会議員やマスコミの中からも北朝鮮への制裁を強化すべきだとする意見が聞かれます。こうした状況をどのように見ていますか。

二階 みんな何かあると「しっかりやれ」、「強気でいけ」と一人前のことを言いますが、強気なのは気持ちだけで、バックグラウンドがないじゃないですか。日本は武器も何も持っていないし、戦争の準備だってしていない。戦争なんかできないんですよ。言葉で相手を威圧するなんてことは大間違いで、火遊びではすまなくなるかもしれません。ここは慎重の上にも慎重にやっていかなきゃいけません。

 日本がやるべきことは話し合いを重ねていくことです。一度や二度の対話ではうまくいかないかもしれないが、それを重ねていくことによって、真の意味での対話にこぎつけていく。そのような努力をしなければいけないですね。

―― アメリカのトランプ大統領が北朝鮮に対して武力攻撃も辞さないとする強硬な姿勢を示しているため、日本もそれに引きずられて強気な態度に出ているのだと思います。

二階 アメリカは「攻撃するぞ」というところまでは言うけども、実際に戦争はしないですよ。もし攻撃すれば大変なことになりますからね。いまこの状況で戦争に踏み切るほど愚かであれば、そもそも大統領にはなれませんよ。

―― 日本は韓国だけでなく北朝鮮とも歴史的に深いつながりがあります。日本はアメリカとは違うアプローチによって北朝鮮問題の解決を図っていくべきではないでしょうか。

二階 アメリカはアメリカです。アメリカの言っていることを一緒になって言っているんだったら、日本の役割が果たせません。日本の果たすべき役割というものは自ずからあるはずですから、やはりその努力をしていかなきゃいけません。

 繰り返しになりますが、日本は戦争はできないんです。また戦争をしちゃダメなんです。日本にできることは平和外交を貫くことです。それ以外に手はありません。日本はさらに謙虚な姿勢を貫き、平和外交を展開していくということでなければならないと思います。

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