『月刊日本』2021年6月号の紹介

コロナ敗戦 A級戦犯は安倍・菅・加藤だ

 6月号は明日22日より書店販売を開始いたします。

 今月号ではコロナ特集を組みました。コロナ禍はウイルスとの「戦争」と言われてきましたが、すでに日本の「敗戦」は明らかになっています。

 菅政権は3月下旬に緊急事態宣言を解除しましたが、変異株を主流とする第4波が襲来し、わずか1か月で緊急事態宣言の再発出に追い込まれました。ワクチン接種も遅々として進んでいません。5月10日時点で、日本の接種率(1回の接種を受けた人の割合)はわずか2・4%です。OECD加盟国37カ国の中で最下位で、世界196か国の中でも129位です。

 この事態を招いたのは誰か。

 安倍晋三総理(当時)が習近平来日や東京五輪の開催にこだわったことで、政府の初動が遅れたことは間違いありません。加藤勝信厚労大臣(現・官房長官)も「37・5度4日以上」という受診目安を掲げ、多くの国民の命を危険にさらしました。この目安のせいで亡くなってしまった方もいます。

 菅義偉政権になってからも混乱は続いています。和泉洋人首相補佐官をはじめとする官邸官僚は厚労省を混乱させるばかりです。さらに田村憲久厚労相や河野太郎ワクチン担当相などの閣僚がバラバラに政策を担当し、混乱に拍車をかけています。

 「コロナ敗戦」を招いた安倍・菅・加藤三氏は、まさに「A級戦犯」です。彼らの責任は厳しく問われなければなりません。
 
 こうした問題意識に基づき、東京都医師会会長の尾﨑治夫氏、ノンフィクションライターの森功氏、評論家の佐高信氏に話をうかがいました。

日本はどこへ

 人々が物事を論じる際には、その人がどういう「世代」に属しているかが大きな影響を与えます。世代論はしばしば敬遠されますが、戦争経験など、ある種の世代でなければ語れない問題は確かに存在します。

 日本はコロナ禍や米中の覇権争いなど、深刻な問題に直面しています。この問題に対処するためには、戦争を経験した世代の知恵が重要なると思います。

 自民党の二階俊博幹事長には、コロナ対策や米中対立、東京五輪、解散総選挙、日韓問題、拉致問題など、いま日本が直面している問題について全て語ってもらいました。

 二階幹事長が東京五輪に関して「無理だということだったら、これはもうスパッとやめなきゃいけない」と述べたことが話題になりましたが、本誌でも「何が何でも五輪・パラリンピックを開催するのか」と問われれば、「それは違う」という意味だと明言しています。

 元自民党政調会長の亀井静香氏は、菅政権を徹底批判しています。「菅首相にリーダーの資格なし。彼は今すぐにやめなければいけないね。補選で3連敗しているのだから民意は明らかだ」としつつ、権力をもぎ取ろうとしない野党にも疑問を投げかけています。

 横浜へのカジノ誘致に反対している藤木幸夫氏にも話をうかがいました。実は藤木氏は若いころに石橋湛山と交流がありました。石橋の独立自尊の精神は、藤木氏にも確実に受け継がれています。

小池都知事は五輪延期を打ち出すか

 いま永田町の関心は、小池百合子都知事が東京五輪反対を打ち出すかどうかに集まっています。国民の間では五輪反対の声が強まっているため、小池都知事が五輪反対を掲げて支持を集め、東京都都議選を勝ち抜き、再び国政に乗り出してくるのではないかと見られています。

 そこで、今月号では政治学者の中島岳志氏に小池都知事とはどういう政治家であるかを分析していただきました。

 小池氏については、ノンフィクション作家の石井妙子氏が『女帝 小池百合子』を出版し、先ごろ大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しました。しかし、石井氏が小池氏が幼いころから顔のあざに悩んでおり、そのことが彼女の政治家としての行動とつながっているという描き方をしたため、一部で批判を招きました。

 中島氏には『女帝 小池百合子』の評価についてもうかがっています。中島は評伝を書く作家の覚悟という点を強調しています。

 その他にも読み応えのある記事が満載です。ご一読いただければ幸いです。