本書は、雑誌『月刊日本』誌上において、平成24(2012)年3月号より24回にわたって連載された音楽評、東京大学音楽部管弦楽団のコンサートのために書かれた楽曲の解説を収録いたしました。
本書著者である故尾崎秀英は、雑誌『月刊日本』の副編集長を務め、佐藤優氏の担当編集者でした。担当代表作:書籍『小説 日米戦争』(著・佐藤優 平成25年9月当社刊)
佐藤優(作家)さんによる「まえがきに代えて」より抜粋
私は尾崎さんを編集者としてもとても信頼していた。いつも私の思想をよりよく表現するためにアドバイスしてくれる理想の編集者だった。
本書は、尾崎さんが『月刊日本』誌上で連載していた「泰西音楽逍遥」を中心にまとめた論集だ。思想をもっともよく表現できるのは音楽だと考えていた尾崎さんの、まさに命を懸けて書いたライフワークだ。この作品は、我々人間の存在の根底に迫るものだ。
死者は永遠に生きる。われわれの記憶の中にある尾崎さん、作品を通じて語り続ける尾崎さんは不滅だ。
本書を手に取る人が、永遠に生きる尾崎秀英さんと真摯な対話を続けることを願っている。