荒井広幸氏との会食が意味するもの
安倍政権の支持率下落が止まりません。ANNが15日と16日に行った世論調査では、内閣支持率は29・2%で、先月の前回調査から8・7ポイント下落しました(7月17日 テレ朝news)。
支持率急落を受けて、安倍首相の周りから人が離れていっているように見えます。7月16日(日)の首相動静を見ると、安倍首相は荒井広幸元参院議員との会食以外に、来客を受けていません。
安倍首相は第一次安倍政権が崩壊した直後にも荒井氏と会食しています。それだけ荒井氏を信頼しているということなのでしょうが、逆に言えば、荒井氏以外に本当に信頼できる人間がいないということだと思います。
さらに言うなら、安倍首相の極端な歴史認識も、友人の少なさに起因している可能性があります。
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人望のない総理大臣
―― 先の戦争はつい70年前の出来事です。安倍総理はまるで戦争などなかったかのように安保政策を進めていますが、何故わずか70年で戦争の記憶を忘れてしまうのでしょうか。
佐高 歴史に学ぶとは、単に歴史を勉強するということではなく、自らの人生が懸かった行為です。安倍首相の年代であれば、父親を戦争で亡くして母親が苦労したというような同級生がいてもおかしくありません。そのような人を友達としていれば、政治家の役目は二度と戦争をしないことだということが出発点になったはずです。
しかし、安倍首相にはそのような友達がいなかったのでしょう。彼のように付属小学校から大学まで上がってきたボンボンで、薄っぺらで浮ついた人生を送っていては、歴史に学ぶことができないということです。もちろん一市井のボンボンであればそれでもいいのですが、総理大臣の場合は国民の生活にまで影響を与えてしまいます。
付け加えるなら、安倍首相にはそもそも友達と呼べる人がいないのだと思います。第一次安倍政権が崩壊した直後、私は赤坂でバッタリ安倍首相に会ったことがあります。彼はその時、新党改革の荒井広幸議員と二人で食事をしていました。彼は私を見て顔を強張らせていましたが、一応初対面ということで挨拶し、名刺交換をしました。
私はその時つくづく、安倍首相は物凄く寂しく人望のない人なのだなと思いました。仮にも自民党総裁まで務めた人が、もう総裁の芽はないと言われていた時とはいえ、他の政党の政治家と二人だけで食事をしますか。第一次安倍内閣は「お友達内閣」と言われていましたが、それはポストに群がるだけの友達で、首相を辞めれば離れていってしまうような人たちだったということでしょう。