亀井静香×石原慎太郎 白人支配の時代は終わった

有色人種に恐怖を感じるトランプ大統領

 アメリカで白人至上主義団体などと反対派が衝突し、多数の死傷者が出る事件が起こりました。これに対して、トランプ大統領が人種差別主義への批判を明言しなかったことが問題視されています(8月14日付時事通信)。

 ここからもわかるように、トランプ大統領は明らかに白人至上主義にシンパシーを抱いています。逆に言うと、有色人種に対して恐怖を感じているということです。トランプ大統領はおそらく、中国やイスラム諸国などが力をつけていることから、白色人種が追い込まれているという危機感を持っているのでしょう。

 ここでは、弊誌8月号に掲載した、亀井静香氏と石原慎太郎氏の対談を紹介したいと思います。全文は8月号をご覧ください。

強者に対する弱者の反乱が起きている――亀井

亀井 現在、世界は大国同士がエゴをむき出しにして争っている状況です。その意味で、新たな帝国主義の時代を迎えたと言えます。その状況下でイスラム国のテロや北朝鮮の核・ミサイル実験など、様々な問題が起きていますが、全体として見れば、強者に対する弱者の反乱が起きているということです。

 私は警察在職時に対テロ対策の責任者を務めていましたから、決してテロを肯定するものではありません。しかしテロにはそういう側面があることは否定しがたい事実です。

 北朝鮮の核・ミサイル開発もそうです。現在の東アジア情勢はアメリカ、中国、ロシアという大国が日本や韓国、北朝鮮という小国を食い物にしようと虎視眈々と狙っている状況だと思います。たしかに北朝鮮との間には拉致や核・ミサイル開発、韓国との間には歴史認識という厄介な問題があります。しかし、これらの問題を取り除いて三国が手を結ばなければ、我々はトランプ、習近平、プーチンに食い物にされてしまうのではないか。

 こういう弱肉強食の時代の中で、いかに日本の国益を守るか。知恵と覚悟を持たなければなりません。トランプが下手な鉄砲を振り回すならば、我々はその喉元に日本刀を突きつけるくらいでないといかん。そのために私は超党派の「明日の日本を考える議員連盟」(防波堤議連)を立ち上げ、微力ながら心を砕いております。

 本日は私が尊敬してやまない石原先生に来ていただきました。石原さんはじっと人間や文明の動きを見つめている、まさに文明の巨人というべき方です。もっとも石原さんは自分も弱くないものだから、強者の論理が好きなんですね(笑)私はどちらかというと弱者の論理なんだけど、お互いに違う目線で議論していきたいと思います。

石原 全然ちがうよ(笑)まあ私ももうじき死ぬんだろうから、改めてこの世の中というものを考えています。それでね、この世界にはある基本的原理があったが、この数年の間でそれが変わったのです。つまり、数百年間続いた有色人種に対する白人の支配が終わったということです。

 現在、ヨーロッパはISのテロやシリア難民の流入で右往左往していますが、自業自得です。今後、EUは分裂してヨーロッパは衰退の一途を辿り、二度と立ち上がれないでしょうな。私は声を大にして「ざまあみろ」と言いたいね。これまで白人が有色人種に対していかに苛烈な支配を強いてきたか。その難を逃れた唯一の民族は日本だけです。そして今日終焉を迎えた数百年の白人支配に最初の一撃を加えたのは、日露戦争、大東亜戦争を戦った日本なのです。

 覚えておいてください。世界を支配する原理は変わったのです。いま我々はそういう世界の大転換期に生きているのであって、これからは自分の目で世界の変遷を見極め、自分の頭でわが国の将来を考えていかないといけない。……