アメリカ・中国・資本主義 世界はどこへ行く!
本誌2月号は本日22日より書店販売を開始いたします。今月号ではアメリカ、中国、資本主義という観点から2021年の先行きを占いました。
現在のアメリカは危機的状況に陥っています。バイデン政権への移行の際には議事堂が占拠される事態まで起こっています。
その一方で、中国が急速な勢いで台頭し、いまにもアメリカを追い抜こうとしています。
しかし、中国も決して安定しているわけではありません。中国は戦後の国際秩序に挑戦し、国際社会から多くの批判を浴びています。また、中国では急激な少子高齢化に進んでいます。人口14億人の大国で少子高齢化という爆弾が破裂したらどうなるか、誰にも予測がつきません。
さらに資本主義も限界を向かえています。資本主義がひたすら利潤を追求した結果、自然が破壊され、大型の自然災害が頻繁に起こるようになってしまいました。
こうした問題意識から、中国問題に関しては思想家の内田樹氏、アメリカ問題についてはスタンフォード大学フーヴァー研究所研究員の西鋭夫氏に話をうかがいました。資本主義をめぐっては経済思想家の斎藤幸平氏とジャーナリストの佐々木実氏に、マルクスと宇沢弘文の視点から対談していただきました。
飼いならされたメディアに喝!
また、今月号ではメディアの問題を取り上げました。安倍政権時代からメディアが政権寄りになっていると批判される中で、例外的に『週刊文春』と『赤旗』日曜版が快進撃を続けています。
『週刊文春』は河井克行・案里夫妻のウグイス嬢買収疑惑や、近畿財務局職員の赤木俊夫さんの遺書、黒川弘務東京高検検事長(当時)の賭けマージャンなど、次々とスクープを放ってきました。そのたびに閣僚や官僚たちの首が飛び、政権に動揺が走りました。『週刊文春』が近年の政局を左右してきたと言っても過言ではありません。
『赤旗』日曜版は安倍晋三首相(当時)主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑を追及し、安倍政権を窮地に追い込みました。この報道が安倍首相退陣の一つのきっかけになったことは間違いありません。菅義偉政権による日本学術会議への介入を報じたのも『赤旗』日曜版でした。菅首相は今後も『赤旗』の報道に怯えつつ、残りの任期を過ごすことになるでしょう。
いくら批判を加えてもビクともしなかった政権が、たった一つのスクープによって崩壊するといったことは、決して珍しいことではありません。なぜ『週刊文春』と『赤旗』日曜版はスクープを連発できるのか。大手メディアがスクープをとれない原因はどこにあるのか。メディアの現状について、『週刊文春』編集局長の新谷学氏と『赤旗』日曜版編集長の山本豊彦氏に対談していただきました。元『週刊現代』編集長の元木昌彦氏には、『週刊文春』と『赤旗』日曜版にスクープが集中する背景を分析していただきました。
菅義偉総理の憂鬱
菅政権が厳しい状況に立たされています。多くの世論調査で支持率が急落し、不支持率が支持率を上回る結果となっています。政権発足当初は支持率が70%台だったことを考えると、隔世の感があります。
今後も菅政権が浮揚する要素は見当たりません。新型コロナウイルスがいつ終息するのか見通しが立たず、経済の落ち込みも深刻です。東京五輪の開催も絶望的で、日本政府も内心ではとても開催できるとは思っていないでしょう。
安倍前首相の「桜を見る会」をめぐる疑惑も終わっておらず、河井克行・案里夫妻の選挙違反事件も尾を引いています。吉川貴盛元農林水産相の問題は今後さらに拡大していく可能性があります。
果たして菅政権はどうなるのか、今後政局はどう動くか。元自民党幹事長の山崎拓氏、毎日新聞の倉重篤郎氏、著述家の菅野完氏に見通しを論じていただきました。
また、今月号から作家の適菜収氏の新連載を開始いたしました。昨今の論壇には保守を自称する人たちが山程いますが、彼らは保守思想家の古典をまともに読んでいません。そこで、適菜氏には保守が読むべき必読書を解説していただく予定です。
その他にも読み応えのある記事が満載です。ご一読いただければ幸いです。