朝日新聞が権力寄りになった時、日本は戦争を始める

星浩新キャスター誕生の舞台裏

 「NEWS23」の新キャスターに朝日新聞社特別編集委員の星浩氏が就任することが決まりました。前キャスターであった岸井成格氏は厳しい安倍政権批判を行っていたため、官邸から圧力がかかり降板になったと言われていますが、実は星氏が新キャスターになるという情報は既に昨年9月から流れていました。
 岸井氏の盟友である作家の佐高信氏は、本誌1月号で次のように述べています。

 岸井降ろしが本格化したのは、政権批判をした9月以降です。これははっきりしている。いまTBSの内部情報で、岸井を降板させて朝日新聞の星浩を後釜に据えるという話が流れているけど、9月の時点でTBSは岸井の頭越しに後任の話を星に持って行っていたんです。星は来年3月で朝日新聞を退社する予定だから、ある先輩の紹介でさる大学に再就職が決まっていた。ところが、9月になってから大学の口を断った。その理由が岸井の後釜に座るからというものだったわけです。火事場泥棒もいいところだ。

朝日新聞が権力に迎合する日

 星氏がNEWS23で安倍政権に対してどのような姿勢を見せるのかはわかりません。しかし、朝日新聞は伝統的に、平時は権力批判を行いますが、世の中がきな臭くなると権力に迎合し始めます。早稲田大学名誉教授の山本武利氏は『朝日新聞の中国侵略』(文藝春秋)の中で次のように述べています。

 初代オーナーの村山龍平は平時はデモクラシー、戦時はナショナリズムを編集方針とすることを編集幹部に指示していたが、二代目の村山長挙にはリベラルな体質はなく、中国侵略を是認する国権主義的ポリシーを支持していた。緒方(竹虎)の体質も平時はデモクラシー、戦時は帝国主義という社論の矛盾に違和感がなかった。

 言い換えれば、朝日新聞が権力寄りの報道をし始めた時、日本は戦争に突入するということです。その意味で、朝日新聞は日本政治の今後を読み解く上で重要なメルクマールなのです。朝日新聞は「左翼新聞だ」と批判されることが多いですが、彼らが今後も左翼新聞であり続けられる状況が続くことを願っています。(YN)