オスプレイ配備を直ちに撤回せよ

沖縄差別を続ける安倍政権

 19日、アメリカ海兵隊が墜落事故以来停止していたオスプレイの飛行を全面再開し、日本政府もこれを容認しました。これに対して、沖縄県の翁長雄志知事は「県民に寄り添うとしながら米側の説明をうのみにし、米軍の考えを最優先し、飛行再開を容認する政府の姿勢は極めて県民不在だと言わざるを得ない。日米安保に貢献する県民を一顧だにしないもので強い憤りを感じる」と強く批判し、改めて日米両政府にオスプレイの配備撤回と飛行中止を求めました(12月19日付け琉球新報)。

 翁長知事が激怒するのは当然のことです。安倍政権の態度からは、墜落事故を我が事として受け止めているという思いが感じ取れません。もし安倍首相が今回の事故を真剣に受け止めていれば、事故直後にすぐに沖縄を訪問したでしょう。安倍首相としてはプーチン大統領との首脳会談の準備に忙殺されていたと言うかもしれませんが、プーチン大統領もシリア問題のために遅刻してきたのだから、仮に安倍首相が遅刻したとしてもプーチン大統領は責めなかったはずです。

 安倍政権の対応は、端的に言って沖縄差別そのものです。しかし、これは安倍政権だけの問題でなく、自民党議員の多くが安倍政権と同じように沖縄に対する蔑視感情を持っていると思います。

 もちろん、全ての自民党議員が沖縄に寄り添おうとしていないということではありません。例えば、二階俊博幹事長は事故直後に次のように述べています(12月14日付朝日新聞)。

 極めて重要な問題だから、我々も関心を持って対応していきたい。訓練中の事故とは言え、沖縄の皆さんの心情を思うと単なる事故では済まされないではないか。政府は米軍に対し、徹底した原因究明と情報開示を求めるべきだ。地元に対する説明も丁寧にしっかりやってもらいたい。

 沖縄県の皆さんには我が国の安全保障について大変なご負担を日頃から頂いている。信頼を失うようなことはいささかもあってはならない。安全の確認がなされるまでオスプレイの飛行停止を求めることは当然だ。25、26日、(私は)沖縄へ参る。関係者にお目にかかって状況を聞いておきたい。

 沖縄の気持ちを受け止めようとする政治家が一人でも増えれば、安倍政権は沖縄への対応を改めざるを得なくなるでしょう。そのために一体何ができるかということを、真剣に考える必要があります。

 ここでは、弊誌2015年8月号に掲載した、二階俊博議員のインタビューを紹介したいと思います。

沖縄の痛みや悲しみを知った高校時代

―― 最後に沖縄についてお伺いしたいと思います。自民党若手議員の勉強会で講師を務めた作家の百田尚樹氏が沖縄を侮辱する発言をしました。また、出席議員の中からも沖縄メディアは「左翼勢力に完全に乗っ取られている」といった発言が出ました。

二階 数ある議員の中から色んな発言が出てくることはいずれの時にもあるわけですが、緊張感を持って対処しなきゃいかん時に、問題を起こすような発言を続けるのはいかがなものかなという話が出てくるのは当然のことです。ですから、皆自戒してもらって、謙虚にやっていくということが大事だと思います。聊かでも世間に自民党が驕っていると伝わるようなことになっているとすれば、厳重な自戒をしていかなければなりません。当選回数の多い人も若い人も皆共通の責任があるのですから、しっかり頑張ってもらいたいという思いです。

―― 今後、自民党として沖縄の基地問題をどのように解決していこうと考えていますか。

二階 私の高校時代の恩師に古川成美という先生がおられました。古川先生は『沖縄の最後』という本をお書きになっています。私は高校時代にこれを読み、沖縄の皆さんの痛みや苦しみ、沖縄があの戦争中にどういうことであったかということを考えてきました。また、沖縄のそれぞれの島に友人もおります。彼らの辛い思いを承るたびに、早く沖縄問題を解決しなきゃいけないと思います。

 沖縄問題について考える時は、党派など複雑な思いをするよりも、私はもっと率直に沖縄の発展のために党派を超えてオール日本でどう対応するかということを考えなければならないと思います。沖縄の発展のために政権を担当しております自民党がどういう対応をし、どのように沖縄の皆さんの心の痛みに寄りそっていけるかということだと思います。

 沖縄の問題は皆の問題です。一部の人たちが主義主張で色々とおっしゃっておりますが、我々はこの問題を他人事ではなく自分の問題として捉え、自民党の責任において、政府の責任において対応していかなければならないと思っています。

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