日本でもクーデターは起こり得る
防衛省は防衛省統合幕僚監部に勤務する30代の3等空佐が小西洋之参院議員に暴言を吐いた問題について、自衛隊法は隊員による政治的活動を制限しているが、3佐の発言は特定の政党に賛成や反対する目的とは認定できない偶発的なものだとし、政治的行為には当たらないとの認識を示しました(5月8日 共同通信)。
しかし、この問題はクーデターにつながりうるものであり、軽く見てはなりません。日本ではクーデターなど起こらないと考えている人もいるかもしれませんが、戦後に実際に現職自衛官によるクーデター計画があり、秘密裏に阻止されたことがあります。
ここでは、弊誌2017年12月号に掲載した、前衆議院議員の亀井静香氏のインタビューを紹介します。全文は12月号をご覧ください。
自衛隊のクーデター計画があった!
── 安倍政権は、臨時国会を開催すべきだという野党の声を無視したままずっと開かず、今度は開いたと思ったら冒頭で解散しました。国会が形骸化しています。
亀井 総理は、丁寧に、謙虚にやりますと盛んに言っていた。しかし、こんなことをやっていれば、「お前は嘘つきだ」と言われちゃうよ。丁寧、謙虚というのは、言葉や物腰だけではだめだ。政治そのものについて、もっと丁寧に謙虚にやらなきゃいけない。
── 経済財政諮問会議、規制改革推進会議などで、恣意的に選ばれた民間議員たちが国の重要政策についての方針を決めています。国会はそれを追認するだけの機関になっています。あらゆる分野で規制改革が強行され、一部の人たちだけが利益を享受しています。
亀井 こうした政治状況が続き、それが変わる兆しもないという閉塞感が強まっている。その結果、これからテロが起こる危険性がありますよ。昭和の初期には、血盟団事件、五・一五事件、二・二六事件などが起こった。
実は、戦後もクーデター計画はあったんだよ。いまだから言ってもいいと思うが、私が警察庁にいたとき、現職の自衛官によるクーデター計画があったんだよ。それを事前にキャッチした。表沙汰にはできないから、とにかく首謀者たちの動きを止めようとした。防衛庁に連絡し、理由を言わずに、首謀者3名を即座に配置転換するよう要請した。計画が察知されたとわかれば、動けなくなる。
これからも、クーデターやテロを起こそうとする者は出てくるよ。いまほとんどの若者は政治的に無関心になっているけど、「政治的な発狂者」が出てくる可能性はあるよ。……