本誌編集部 安倍総理、即刻ワクチン投与を止めて下さい!

重篤症例表小0001 「死にたい」――わずか13歳(当時)の少女がこう言った。

 政権交代直後の民主党政権下で認可され、翌年から一部自治体で接種助成が始まった「子宮頸がん予防ワクチン」、だが、その薬害の実態が明らかになりつつある。

 松藤美香さん(東京都杉並区)の長女(当時12歳)は2011年10月19日に二回目の子宮頸がん予防ワクチン・サーバリックスを接種した。だが接種直後より、異変が生じた。ワクチンは左上腕部の筋肉に注射したが、すぐに手が痛み、しびれ、摂取した三時間後には痛みは肩、左足腿、足先の指にまで広がり、さらに嘔吐、頭痛が彼女を襲い、左の背中は異様に盛り上がった。現在でもその痛みは彼女を苦しめている。

 副反応は全国で1926件(厚労省把握分)、今後、被害者の数はさらに膨れ上がるだろう。「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」には、さまざまな被害の実態が寄せられている。「ズキズキする痛みからハンマーで殴られているような激痛」「全く立てない、歩行不能」「殆ど寝たきりの状態」「運動機能の障害」「記憶障害、計算障害」――このような重大な副反応をもたらすにもかかわらず、このワクチンは急スピードで認可され、さらに150億円もの国家予算がつぎ込まれた。「子宮頸がん予防ワクチン」とは何なのか、どのような問題が潜んでいるのか。

「子宮頸がん予防ワクチン」とは

 子宮頸がんは、性交渉を通じてヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで発症すると考えられている。通称「子宮頸がん予防ワクチン」は、このHPVに感染することを予防するためのワクチンであって、子宮頸がんそのものを予防するワクチンではない。

 HPVに感染してしまったあとではこのワクチンは効力を発揮しないため、性交渉前の段階でワクチンを接種し、HPVへの感染を予防するのが狙いとされる。

 しかし、全国被害者連絡会の池田としえ事務局長(日野市議会議員)は次のように指摘する。

 「まず、HPV感染と子宮頸がんとの因果関係は明確ではありません。子宮頸がんを調べるとそこにHPVウイルスへの感染が認められるというだけで、HPVが子宮頸がんを引き起こすというメカニズムが明らかにされていません。成人し、性交渉の機会が増えると確かにHPV感染の確率は高くなります。しかしHPVに感染しても、自己免疫力で前がん状態は排出されるのがほとんどで、必ず子宮頸がんに至るわけではありません。

 必要以上に前がん状態(異形成)を強調するため、性交渉が活発になる20、30代女性の子宮頸がん発症リスクの高まりが「子宮頸がんで死亡する」という印象につながるようなイメージを与えているのが実態です。

 しかし実際には、それはHPVに感染するだけのことで、子宮頸がんになり、最悪死に至るケースというのは、60代以降の高年齢者がほとんどです。高齢になると発症しその中の一部が死につながるというパターンは他のガン同様のことです。発症し20代で死に至るケースはほとんどありません。それをあたかも20代で子宮頸がんにかかる恐れがある、それをワクチンで予防できるかのように宣伝するのは、不誠実です」

グラクソ2 左図は「子宮頸がんワクチン」啓発キャンペーンのパンフレットで、これを見ると、あたかも30代で急激に子宮頸がんの発症が増えているように思える。だがこれは悪質な印象操作だ。この図は子宮頸がんそのものではなく、その前段階である「異形成」発症のグラフなのである。

 異形成はHPV感染によってもたらされるのだが、これはがんそのものではない。異形成上皮(軽度→中等度→高度)→上皮内癌→浸潤癌と進行して子宮頸がんに至るとされているのだが、異形成の多くは自然治癒する。池田事務局長はこう指摘する。

 「実はこのヒトパピローマウイルスを発見したドイツの科学者、ハラルド・ツア・ハウゼンも『ノーベル賞の科学』という本の中で、ワクチンの効果が明らかなのはがんに対してではなく前がん状態、つまり異形成に対してだ、とはっきり述べています。前がん状態はそのままがん化することもあるが、消えてしまうこともあります。子宮頸がんの場合、確率的にはほとんど消滅すると言われています。慶応大学医学部産婦人科腫瘍研究室でも、ツア・ハウゼンの発言を裏付ける見解を出しています。

 子宮頸がんはHPVに感染しただけでは発がんせず、他の因子、たとえば、喫煙や微生物感染などの環境因子ががん化に影響をあたえることがわかっています。つまり、このワクチンは子宮頸がんを減らした実績が全くないワクチンなのです」

 異形成を子宮頸がんそのものの発症であるかのような印象操作を行い、ワクチン接種は推進されてきた。

「子宮頸がん予防ワクチン」は効かない

 子宮頸がん予防ワクチンはHPV感染を防ぐものであって、子宮頸がんそのものの予防ワクチンではない。

 現在、日本国内で認可されているのはサーバリックス(英・グラクソ・スミスクライン社)とガーダシル(米・メルク社)の二種類である。HPVには百種類ほどの型があるが、これら二つはすべての型のウイルスを予防するわけではない。

 サーバリックスはHPV16、18、ガーダシルはHPV6、11、16、18型に対応したワクチンである。日本人に多く見られるHPV52型・58型を予防するものではない。さらに、ワクチンは「20年、30年後の安心」(グラクソ・スミスクライン社のホームページより)を謳っており、あたかも効果が長期間持続するかのように、「中高生に子宮頸がん予防ワクチンを接種する場合、その効果は大人になるまで長期間持続することが望まれます」と宣伝している。

 しかし実際には、その効果は6~7年であり、中学生に接種しても成人する頃にはワクチン効果は切れている。国立感染症研究所が平成22年7月7日に発表した「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関するファクトシート」には、次のように記述されている。

 「接種から少なくとも5~6・4年後までは、ワクチン型HPVによる子宮頸部前がん病変の発生を予防する効果が持続すると考えられる」

 また、平成22年8月6日に山谷えりこ参議院議員が提出した質問主意書に対して、「その予防効果は最長6・4年間持続することが確認されているものの、その予防効果の持続期間については確立していない」と政府答弁が出されている。

 このように、子宮頸がんを予防するわけでもなく、HPVのごく限られた型を予防するだけで、しかもその薬効はごく短い――そして、人生を破壊するような重篤な副反応を持つ――これが「子宮頸がんワクチン」の正体なのである。にもかかわらず、このワクチン接種にはこれまで年間150億円、25年には1000億円以上という莫大な予算がつけられる予定である。

 そもそも、このワクチンの認可、そして予算獲得に至る過程は不自然な動きがあるのだ。

以下全文は本誌6月号をご覧ください。